気温こそ、ここのところ低空飛行とはいえど、今は春。
春といえば。
出会いと別れ。
追いコン・卒コンの季節ですね。
俄然、チャンス、じゃないですか。
ほっそい目をかっぴらいて僕は慌てて幹事を務める後輩に参加のメールを爆撃しました。
年上の、女性と、付き合う、ラストチャンス!
別れとは辛いからこそ美しいのです。
別れがあるからこそ再開したときの喜びがひとしおなのです。
オイ、そこのおまえだよ売れ残った4年生様よぉ!
どうせおまえ、研修が終わった頃あたりに開かれる同期飲みとかそんなんに期待してるんだろーが?
どうせおまえ、色々と指導してくれる先輩と食事に行ったときからグッと距離が縮まってとかそんなんに期待してるんだろーが?
違うじゃん!
身近にいるじゃん!
僕!
イッツヒア!
そんな雲をつかむようなこと考えてないでさぁ、大地に根を張りましょうよ?
別れの涙の雨降って地固まるわけよ?
同学年の人との別れも辛いけどさ、僕との別れもあるわけでしょ?
ちょっと聞いてヨ!生電話!
心にどこか冷たい風が吹きすさぶ前に、僕との関係を築城しときましょーよ。
オーケイ、リクエストには極力応えるタイプだぜ!
あっ、でもね、振袖だけは着替えないで!
それだけだから!
僕からお願いするのは!
えっ?
リラックスできない?
そんな、堅いこと言わないでさぁ!
大丈夫だって、後でいくらでもリラックスさせてあげるから、ねぇ!
とまぁ、脳みそに旗立てられた勢いで卒コン行ったんですけど振袖着てきた人、一人もいないのね。
みんな、アレね。
用意がいいのね。
おじさん夢破れちゃったから、一人で端っこに座ってたよね。
全然かわいがられてなかったことに卒コンで気がついた、春。

